融資失敗事例15:見積書が怪しい

最近当ブログを読んで頂いてる知人よりコメントをいただきました。

「本当にこんな相談者がいたの? 創作じゃないの?

いやいやいや、今まで紹介してきた事例は全て事実にもとづいております。
まぁ、細かい設定は多少守秘義務上ごまかしていますが、大抵は事実に基づいています。
むしろ事実よりも多少控えめに書いているほどです。
それぐらい事実は小説よりも奇なり、なのです。・・・笑い事ではありませんが。

それはさておき、今回は見積書が捏造?されたのではないか、というぐらい怪しい事例です。

相談者Aさんは飲食業を立ち上げようと相談に来られました。
ところが店舗の契約金や内装費用、器具備品等の見積りが思った以上にかかり、
トータルの投資額と自己資金の割合が著しく悪くなってしまいました。
具体的には自己資金は200万円しかないのに、初期費用が1000万円になったんですね。
私が全体的に判断してアドバイスしたのが初期費用の見直しでした。
せめて融資申請額が400万円ほどになるように、初期費用を600万円前後まで
見直せないか、と伝えたんですね。

後日、その相談者Aさんが
「先生!なんとか内装費用が安くなりました!
と喜んでご相談に来られたのです。
内装費用の見積書を確認してみると、確かに600万円あったのが400万円まで下がってました。
「これなら何とかなりますね、しかしよくここまで下げられましたね。」
と訪ねてみたところ、
「いやぁ、実は友人の内装業者に頼み込んで、この費用でやってもらえそうなんです。」
それを聞いて私は嫌な予感しかしませんでした。
案の定、見積りを出している業者さんを調べてみたところ、
どうやら飲食店を経営している業者でした。(しかも個人事業)
同業者が内装業者を斡旋してマージンをもらう、ということは珍しいものではありませんが、
明らかに見積り費用が安くなりすぎましたので、詳しく聞いてみても
どうも実態が怪しい。捏造とまでは行かなくてもそれに近い状態だと判断したので、
その方の融資はお断りした経緯がありました。

融資希望者には自己資金にも心にも余裕のある方は少ないです。
あの手この手を使っては何とか融資を通そうとします。
しかし、税理士も銀行担当者も数字に通じたプロです。
融資を申請する際には正々堂々たる態度で望むことをお勧めいたします。

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