融資失敗事例12:合同会社を作って起業

合同会社が融資失敗事例???
という、やや過激的な題材になっていますが、ご説明いたします。

諸説、反論あるかと思いますが、私の個人的な意見を述べさせてもらうと、
現状合同会社を作るメリットは、

設立費用が安く済む

以外にはありません。
確かによく言われていますように、飲食店などの屋号で仕事をされる方にとって、
法人名というのはあまり意味のないものかもしれません。
しかし仕入れや外注に出す、もしくは求人を出す場合には必ず会社名を出すこととなります。
またここが大事なポイントですが、
あなたは個人商店のような小さい会社で一生終えるのですか?
という問に答えられないからです。

大きくなってくれば、必要が出てくれば合同会社から株式会社へ
組織変更はいつでもできる、という意見もあります。
ただ、あくまでそれは机上の空論です。
実際に合同会社からスタートして株式会社へ移行するとしましょう。
まず組織変更の業務として手数がかかります。
自分でやるならそれ相応の時間が、司法書士に依頼されるなら報酬額が必要となります。
また、それまでに利用していた法人印もすべて作り替えることとなります。
取引先に対して通知もしなければなりません。
また大家さんとの賃貸借契約や税理士との顧問契約も作り変えるなど、
大変な手間がかかってしまいます。
だったらはじめから株式会社にすればいいじゃないですか?

2005年に会社法ができたのをきっかけとして、有限会社が作れなくなりました。
この会社法ができるまでは株式会社と有限会社は住み分けができていました。
資本金が300万円しか用意できない方や同族内での経営なら有限会社、
それ以外なら手間はかかるけれども株式会社。
しかし今や最低資本金制度も撤廃され、会社設立も一人からできるようになりました。
違うのは冒頭でお知らせした設立費用だけです。
しかもその設立費用を見てみると、

合同会社・・・84,182円(法定費用、印鑑代込)
株式会社・・・224,177円(法定費用、印鑑代込)
差額・・・139,995円
※上記金額には会社設立手数料は含まれておりません。
印鑑代諸費用はカワニシ会計にご依頼いただいた場合の見積りです。

いかがでしょうか?
その差わずか14万円です。世の中の認知度から考えると株式会社は優位です。
しかもその後の煩わしい手続や組織変更時の手数料等を考えると
どう考えても合同会社にメリットはありません。
逆に言えば、
今私には自己資金が14万円すら事欠く有様です。
と銀行担当者に伝えているようなものです。
実際、銀行担当者から「どうして合同会社にしたのですか?」
と聞かれたことは一度や二度ではありません。
特に融資を念頭に置かれているのであれば、積極的に株式会社をご検討ください。

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